EUの特恵関税一部撤廃
カンボジア政府は「コロナ対策が優先」
カンボジア通信 No.20/57
2020年8月20日版
カンボジアの人権抑圧に対する制裁として、欧州連合(EU)は8月12日をもって、カンボジアからの輸入品に対する特恵関税制度を一部停止した。プノンペンポスト紙によると、この措置に対してカンボジア政府高官は「昨年からこの事態への対応は準備されている」と、語った。
同紙によると、カンボジア政府は、EUの特恵関税制度一部停止や新型コロナウイルスがもたらす経済的打撃への対応策として11億ドルを準備しているという。政府報道官は、「カンボジアは貿易の多角化を進めており、間もなく中国との間で自由貿易協定が合意され、韓国や日本とも同様の取り組みを進める考えだ。今回のEUの措置は、わが国がEU市場を失うという意味ではない」と、たとえ保護制度がなくなっても、カンボジアの製品が世界市場で競争力を持つことを強調した。
同紙によると、EUによる制裁措置により、カンボジアからの輸出品の約20%が特恵関税の適用外となる。その結果、カンボジアからEU諸国への年間貿易額の5分の1にあたる約11億4000万ドル分の影響が出る、とされる。
カンボジアとEUとの2019年度の貿易額は約56億ユーロ(約66億5000万ドル)で、カンボジアにとってEUは中国に次ぐ第2の輸出先となっている。一方、EUにとってカンボジアは54番目の貿易相手国となっている。
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