フン・セン首相とケム・ソカー氏が対面
カンボジア通信 No.20/31
2020年5月12日版
フン・セン首相は5月5日、義母の葬儀で、旧救国党の党首だったケム・ソカー氏と面会した。2人はプノンペンのフン・セン首相の住まいで約50分を過ごし、「国家と国民の利益や福祉について」意見を交わしたという。
フン・セン首相とケム・ソカー氏が面会するのは、2017年に最高裁が最大野党だった救国党を解党して以後、初めて。ケム・ソカー氏は自身のフェイスブックで、今週は在プノンペンの民主的な国の大使たちと面談をするとしている。また、新型コロナウイルスのために、カンボジアに入国できない大使たちには、オンラインで面会するという。
5月11日にケム・ソカー氏と面会した駐カンボジア・ドイツ大使は、フン・セン首相とケム・ソカー氏との会談について、「前向きな進展だ」と評価するコメントを出している。また、オーストラリア大使は、自身のフェイスブックに、フン・セン首相とケム・ソカー氏の会談の写真を掲載した。オーストラリア大使館の報道官はクメール・タイムズに対し「この会談を歓迎する」とのコメントを寄せた。
在カンボジア日本大使館もクメール・タイムズに対し、「両者の対話を歓迎する。これ以上のコメントは避けるが、わたしたちはいつでも政治家の対話を歓迎している」と、答えた。
カンボジアロイヤルアカデミー国際関係研究所のKin Phea氏は、「カンボジア人同士の問題であれば、解決は難しくないだろうが、外国勢力が介入した場合には難しくなる」として、「国際社会がカンボジア人同士の和解を期待し、そこに何ら政治的思惑やどちらかへのひそかな肩入れがなければ、政治的な解決は可能だと信じる」と、述べた。
ケム・ソカー氏は現在、プノンペン地裁で「外国との共謀罪」に問われているが、新型コロナウイルスの感染拡大のため、裁判は一時中断している。
[日本カンボジア協会のご入会 ]
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