フン・セン首相、2023年の世界食糧難を懸念
カンボジア通信 No.22/35
5月26日版
東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国として5月24日、ダボスで開かれた「世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)」に出席したフン・セン首相は、「ロシア・ウクライナ間の戦争の影響が深刻になってきている」として、なかでも農作物の輸出が減少したことによる世界の食糧難に懸念を示した。
クメールタイムズ紙によるとフン・セン首相は、「新型コロナの影響は少しずつ和らいできたが、ロシア・ウクライナ戦争の影響はより深刻になってきた。カンボジアを含む多くの国が、エネルギー不足に苦しんでいるが、来年は世界的な食糧難の可能性があり、解決策を早急に見出す必要がある」と、述べたという。
フン・セン首相は、ASEANはその加盟国の半分程度がコメ産出国であり、他の地域と比べて食糧難の深刻度は弱いかもしれない、とも指摘した。
ASEANはロシアと「対話パートナー」として定期的に閣僚会合などを開いており、今年8月には外相会合を開くと発表した。その場でも食糧難など、軍事侵攻による影響への懸念が伝えられるとみられる。
ロシアのウクライナ侵攻について、ASEAN諸国の対応はそれぞれ違い、足並みはそろっていない。ただ、ロシアを非難するシンガポールも「対話の道を閉ざすな」と主張しており、国際会議などからの「ロシア排除」を主張する欧米諸国とは立場が異なっている。