絶滅危惧種のイルカ、11頭が死亡

カンボジア通信 No.22/92
12月 26日

世界自然保護基金(WWF)はこのほど、メコン川に生息する絶滅危惧種のイルカ、カワゴンドウが少なくとも11頭死亡した、と発表した。主な死因は漁業で使用される網に引っかかったことという。クメールタイムズ紙が報じた。

 同紙によると、12月24日、クラチエ州のカンピの下流約10キロの地点で、イルカの死体が浮いているのが発見された。詳しく調べると、その死因は漁具であることが分かったという。要るかは7歳から10歳と推定されるメスで、93キロあった。

同紙によると、この1週間ほどで、こうしたイルカの死は3件続いており、2022年内では合計11頭、過去3年間では合計29頭にのぼった。WWFカンボジアは、「最近、イルカの保護区内での違法な漁が増えている。もしこうした違法な漁業を早急に取り締まらなければ、カンボジアのメコン川のイルカは絶滅してしまうだろう。漁具によるイルカの死はここ10年前には見られなかったことだ」と、指摘した。

WWFカンボジアは、カンボジアのメコン川に生息するカワゴンドウを1997年から公式に調査している。1997年には200頭が確認されたがその後は減少の一途をたどり、2015年には80頭にまで減ってしまった。しかし2018年には92頭にまで増加している。ただ、違法な漁などで再び個体数が減少に転じる可能性もあり、WWFカンボジアは、イルカが生息する環境の保全を求めている。



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