米大統領選、ASEANへの影響は? シンクタンク所長「米中のバランスを注視」

カンボジア通信 No.20/77
  2020年 11月 7日版 

歴史的な大接戦となった米大統領選。11月7日現在、バイデン氏が優位と報道されているが、まだ結論は出ていない。クメールタイムズ紙が、カンボジアのシンクタンク「アジアン・ビジョン研究所」のチェン・バナリット所長に、米大統領選のカンボジアへの影響についてインタビューをした。その記事から抜粋する。

 「バイデン氏が勝利した場合、アメリカとASEANとの関係はどのように変わるか」との問いに対しバナリット所長は、「バイデン氏はトランプ大統領よりも多国主義の価値を認めている。その意味で、ASEANとアメリカとの関係はさらに深まるだろう。それに、たとえば気候変動に関するパリ協定に復活する考えを示すなど、保護主義を優先するよりも、国際的なメカニズムの中で諸問題を解決しようという姿勢もみえる。WHOやWTOにも積極的な関与をしていくだろう。オバマ政権の時のように、国際社会におけるアメリカの役割はより良くなっていくと思う」と、答えた。

 一方、カンボジアとの関係については、「まだ何とも言い難い。バイデン氏は、人権や民主主義により重きを置いており、カンボジアに対してより強いプレッシャーをかける可能性もある。フン・セン首相はトランプ大統領を支持していたようにも見えるため、注意深く見守っていく必要がある」と、述べた。

 米中貿易摩擦については、「バイデン氏が多国主義を経済面でも貫けば、緊張は緩和する可能性がある。ASEANを舞台に両国が対立する傾向にあることについても、バランスを重視した外交になるだろう。ASEAN側も、中国に近い国とアメリカに近い国の両方が存在し、バランスよく関係を維持することに留意していると思う」と、した。


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