メコン川のカワゴンドウイルカ、ストゥントレン州で33 頭を確認

カンボジア通信 No.23/28
4月  24日


カンボジアの農林水産局は4月24日、ストゥントレン州のメコン川には現在、33頭のカワゴンドウ(イラワジイルカ)が生息している、と発表した。クメールタイムズ紙が報じた。メコン川には、絶滅危惧種のイルカ、カワゴンドウが生息していることが知られているが、その個体数は減少傾向にある。

カワゴンドウは、メコン川の代表的な淡水系野生動物で、ラオス南部のコーンパペンの滝からカンボジアのクラチェ州に至る約190キロの範囲で生息が確認されている。世界自然保護基金(WWF)によると、体長は3メートル弱、体重は150キロほどで、6頭ぐらいの群れで暮らしているという。

公式の生息調査が初めて実施された1997年に確認されたのは200頭。それが2015年の調査では80頭にまで減少した。個体数減少の主な理由は、刺し網や爆薬・電気を使った漁業、ダム建設などの開発だという。

今回、発表されたのはストゥントレン州での個体数であり、カンボジア全体での個体数の増減までは分からない。ただ一方で、カンボジア政府によるカワゴンドウ保護政策は迷走気味だ。4月27日、フン・セン首相はカワゴンドウを保護するために2月に発令した一部地域の漁業禁止令を撤回した。禁止令はカワゴンドウが1週間で3頭死んだことを受けて発令されたが、漁業関係者への影響が大きいとして撤回された。





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