新型コロナウイルス
カンボジアでも初めての感染者を確認
カンボジア通信 No.20/3
2020年1月28日版
カンボジア各紙によると、カンボジア保健省は1月27日、中国からシアヌークビルにもどってきた中国人男性(60)が、新型コロナウイルスに感染していることが確認された、と発表した。カンボジアでは初めての感染者確認だった。
クメールタイムズ紙及びプノンペンポスト紙によると、この男性は家族3人とともに、中国・武漢から1月23日にカンボジアに到着、25日に発熱と鼻水等の風邪の症状が出た。他方、家族3人の検査結果では感染は確認されていない。
現在、患者はシアヌークビル州病院で隔離状態にある。記者会見をしたマム・ブンヘン保健相は、患者が回復するまで同病院で手当てをするとしている。また、同紙によると、男性は家族とともにカンボジアに滞在しているが、保健省は、家族も観察のため同病院に留めているという。ブンヘン保健相は28日、シアヌークビル国際空港を訪れ、空港を視察。空港職員と感染対策などについて話し合った。その後、中国人患者を病院に見舞った。
関係当局は、ウィルス検査のため、同患者と接触した可能性のある人たちを探索するとともに、患者家族の立寄先を消毒することとしている。
また、航空当局によれば、カンボジアと武漢間の定期便を運航しているのは中国の2社であり、同当局は27日、中国政府の決定により、これらの便はすべて運航停止となった旨発表した。
カンボジアと中国の間には直行便が週200便以上運行されており、中国人の訪問者や滞在者も多い。保健省は、22日の段階で、プノンペン、シアムリアップ及びシハヌークビルの3国際空港並びにバヴェット、ポイペト及びプレック・チャック(カンポット州)の国境検問所に検査機器を設置した旨、また、3国際空港に検疫チームを派遣するとともに、感染患者の隔離室をクメール・ソ連友好病院(プノンペン)並びにシハヌークビル及びシアムリアップの州病院に確保した旨発表した。同省によれば、感染患者用の治療機器と薬品は確保済みであり、ウィルス検査用ラボと感染治療の訓練を受けた2千名の保健医がいる由。
また、26日、フン・セン首相は、関係当局が主要国境検問所及び空港におけるコロナウイルス対策を強化した旨国民に説明するとともに、これに感染しないよう注意を呼び掛けていた。特に、マスクの着用、アルコール又は石鹸での手洗い、風邪のような症状を呈する人との接触の回避、良く調理されたものだけ口にすること、家畜との接触や家畜農場訪問の回避を勧めるとともに、感染の疑いを感じたら、直ちに医者や病院に行くか救急電話をするようフェイスブックで呼び掛けていた。
旧正月の休暇が終わる今週、さらに感染が拡大する恐れがあるため、カンボジア国内ではより本格的な感染予防策が各所で始まっている。銀行など不特定多数の人が集まる場所や学校ではマスクを配布。また、多くの店で、マスクや消毒用のアルコールが品不足となり、「買えない」という声があがっている。
[日本カンボジア協会のご入会 ]
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