都市封鎖地区の住民 「食料が足りない」と抗議
カンボジア通信 No.21/33
2021年 4月30日版
新型コロナ感染のため都市封鎖が続くカンボジアの首都プノンペンで4月29日夜、厳しい行動制限下にある地域の住民が抗議の声を上げた。行政担当者が支援を約束して収まったが、都市封鎖が長期化すれば他の地域でも同様の問題が起きる可能性がある。
プノンペンの都市封鎖は4月15日から続いている。4月28日には終了する予定だったが、感染者数が減少せず、5月5日まで延長になった。その際、都内を赤、オレンジ、黄色の3地域に分け、段階的に行動制限を緩和した。最も感染リスクが低い黄色地域ではほとんどの外出や経済活動が許可されているが、最も厳しい赤地区は、家からの外出が許されない状態だ。食料や生活必需品の買い物は認められているが、域外へ出ることができないため、近所の店舗が閉鎖していれば食料も入手できない。
政府は移動販売やオンライン注文の購買ルートを増強したり、赤地域の住民に支援品を配布したりするなどの対応をしているが、不足や不自由を感じている人は多いようだ。また、感染予防のため都内の市場はすべて閉鎖されており、食品の流通に支障が生じている。
抗議行動が起きたミエンチェイ地区は、工場ワーカーたちの住む地域で、クラスター感染が発生したために最も厳しい行動制限が課される赤地区に指定されている。報道によれば集まった人々は移動制限をするためのバリケードに、「私たちは飢えている」と書いた段ボールを掲げて抗議をしたという。行政担当者は支援を約束して、集会は解散した。