新型コロナウイルスの影響
貧困世帯に政府が支援金を配布
カンボジア通信 No.20/42
2020年6月26日版
カンボジア社会福祉省は6月25日、国内の貧困家庭約15,800世帯に、政府による支援金が配布された、と発表した。これは、新型コロナウイルスによる影響を受けた貧困家庭や社会的弱者とされる世帯に、支援の手を差し伸べるもの。クメールタイムズ紙などが報じた。
同省の発表に先立ち、カンボジアのフン・セン首相は「政府は今回の現金の支給やその過程について透明性を保証する。最初の月の配布は7月24日までに終了する」と、述べている。政府は、合計で56万世帯余りに配布する計画だ、としている。
報道によると、支援を希望する人は、それぞれのコミューンのオフィスに出向き申請をする必要がある。担当官は申請のあった家を訪問し、事情を調べた後、適切と判断された場合に支給される。政府は「すべての人が現金を受け取れるというわけではない」と、強調している。
支援金を受け取った65歳のチュム・ユンさんは、クメールタイムズ紙の取材に答えて、「大変うれしい。我が家では55ドルを受け取った。これで鶏と豚を買い育てる」と、語った。
国連の世界食糧計画(WFP)も6月30日からの1カ月間で、カンボジア5州の貧困世帯、約82,700世帯に対し、コメや植物油を配布する、としている。
カンボジア国内で確認された新型コロナウイルスの感染者は130人。死者はおらず、これまで市中感染は発生していないとされている。それでも、感染拡大を防ぐためにクメール正月の休暇が延期となり、州をまたぐ移動が禁止されるなど、厳しい措置がとられた。欧米を主な輸出先とする縫製業セクターも、国際的な新型コロナウイルスの感染拡大に打撃を受けており、今年度の経済成長予測を戦後初のマイナス成長と推測する国際機関もある。また、学校は3月から現在もまだ休校中で、社会にも大きな影響を与えている。
[日本カンボジア協会のご入会 ]
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