新型コロナ、プノンペンの市場で閉鎖相次ぐ 大使館は在留邦人に注意喚起
カンボジア通信 No.21/49
2021年 7月 3日版
カンボジアでは新型コロナの感染が再び拡大しており、7月2日までにプノンペン都内の市場4カ所が、陽性者多数確認のために閉鎖された。在留邦人にも感染者が確認されており、在カンボジア日本国大使館は、感染した際の隔離施設の状況などを周知し、注意を呼び掛けている。
カンボジア国内の7月2日までの感染者累計数は52,350人。このうち、市中感染は49,478人で、死者は660人にのぼっている。4月から5月にかけてロックダウンが実施されるなど厳しい活動制限があり、プノンペンを中心に一時は感染が抑制傾向にあった。しかし、6月に入ってから感染者が急増。市中感染だけでなく、海外からの輸入症例も増えており、特に感染力が強いとされるデルタ株の広がりが懸念されている。
一方プノンペンでは、オリンピック市場、バンケンコン市場、ロシア市場など中心部の市場で多数の感染者が確認され、これまでに4カ所の市場が閉鎖された。
この状況を受け、在カンボジア日本国大使館は7月2日付で、カンボジアへの渡航を予定している人や滞在中の人たちに向け、陽性と診断された場合の隔離状況を公表した。それによると、カンボジアでは無症状であっても政府の指定施設で隔離される。隔離施設は個室ではなく、広い空間に簡易ベッドが並び、パーティションはない。空調などが整っていないことや、外部からの差し入れにも制限があることなど、「日本人にとっては厳しい環境」に置かれるという。自己負担による医療機関での隔離も認められるようになったが、病床は不足しており、必ずしも医療機関で受け入れられるとは限らないという。
大使館ではこのほか、カンボジアでの隔離措置は同国公衆衛生当局の管理下にあり、大使館からの支援は限定的であることや、移動制限などが突然開始される場合があることなどを挙げ、こうした点に十分留意したうえで、感染のリスクを抑えることを求め、短期滞在中の人には帰国を奨める、としている。