パキスタンの「世界一孤独なゾウ」 カンボジアで順調な新生活
カンボジア通信 No.20/88
2020年 12月 19日版
パキスタンの首都イスラマバードの動物園で「世界一孤独なゾウ」として知られていたアジアゾウの「カーバン」が11月30日、カンボジア・シェムリアップに移送された。クメールタイムズ紙によると、カーバンは新天地となったカンボジアで健康に暮らし、まもなく自然保護区内に返されるという。
報道によると、カーバンは現在35歳ぐらい。1985年、1歳のときにスリランカからパキスタン・イスラマバードの動物園に移されたが、閉じ込められたり、鎖につながれたりしていたため、動物愛護家たちが飼育環境を改善するように署名活動を実施した。
動物園側は、「暴れる傾向がみられたために、一時的に鎖でつないだことがあるだけ」と主張したが、「カーバンを自由にする運動」は米歌手のシェールさんら著名人も加わり、署名は40万人以上となった。今年5月、イスラマバードの高等裁判所はカーバンに自由を与えることを命じ、自然保護当局に適切な移住先を見つけるように指示した。その結果、カンボジアの自然保護区へ移送されることになった。
特別機でパキスタンからカンボジアへ輸送され、現在、オドーミエンチェイ州の施設で暮らすカーバンについてクメールタイムズ紙は、「ほかのゾウたちと一緒に健康に、楽しく暮らしている。仲間もできたようだ。カーバンはもう、世界一孤独なゾウではない。あと数か月したら、自然保護区に放たれるだろう」と、している。
[日本カンボジア協会のご入会 ]
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