若い世代にポル・ポト時代の経験を伝える
カンボジア通信 No.23/23
3月 24日
カンボジア東部トボン・クモン州で3月22日、1970年代のポル・ポト時代について学ぶフォーラムが開かれた。クメールタイムズ紙が報じた。
フォーラムを開いたのは、ポル・ポト時代の記録や資料収集に取り組む「カンボジア資料センター(DC-Cam)」。目的は、ポル・ポト政権下で行われたような人権侵害や虐殺の事実を若い世代に伝え、同じことが二度と起きないようにすることだ。
今回は、地元の高校生22人が、少数民族の高齢者に当時の話を聞いた。高校生たちは、当時の厳しい生活の状況や、耐えることを強いられた苦難や恐怖について、直接話を聞くことができた。また、強制移住や強制労働、飢餓、裁判のない処刑の話なども聞いた。
こうした取り組みは、別の州でも実施されているという。DC-Camの担当者は、「この教育活動の目的は、カンボジアのつらい歴史を忘れないようにすること。人々の苦しみや社会が崩壊した歴史の教訓を忘れずにいることは、どうしたら同じことが起きないように防ぐことができるか、ということへの理解につがなる」と、話している。