中国人1000人以上をカンボジア国内で逮捕
カンボジア通信 #12
2019年10月18日版
クメール・タイムズ紙によると、2019年だけですでに1000人以上の中国人がカンボジア国内で逮捕されているという。10月17日、在カンボジアの中国大使館が公表した内容をもとに伝えられた。
在カンボジア中国大使館がフェイスブックで公表した内容によると、2019年は中国とカンボジアの司法当局が両国法執行協力事務所を設置して共同の取締を強化し、カンボジア国内での中国人犯罪者の摘発が増えた。摘発された者たちの容疑は、オンライン賭博、売春、違法薬物などで、皆中国に強制送還された。
カンボジア国家警察の資料によると、カンボジア国内には約25万人の中国人が暮らし、就労している。そのうち、プノンペンとシアヌークビルに各々10万人ほどが集中しており、特にシアヌークビルにはオンライン賭博の関係者が多く在住しているといわれる。シアヌークビルでは、短期間に膨大に流入した「中国マネー」をあてにした投資が相次ぎ、建築ラッシュとなっていた。
流れを変えたのは今年6月。建築中のビルが未明に倒壊し、その中で寝泊まりしていた作業員8人が死亡する惨事が起きた。ビルの所有者が中国人だったことや、建築許可を得ていなかったことから、「中国マネーをあてにしたずさんな工事が原因」と、一気に中国批判が高まった。
両国は、今年3月29日に、カンボジア内務省と中国公共保安省間で法執行協力に関する覚書に署名しており、カンボジア政府は、中国政府がオンライン賭博詐欺など国際犯罪の摘発に各国の協力を求めたこともあり、自国内の中国人による犯罪の摘発に乗り出した。今年8月には、犯罪の温床ともなりかねないオンライン賭博の営業免許発行を停止(カンボジア通信 N0.3ご参照)。また、中国政府と犯罪摘発のために協力する部署を設置し、シアヌークピルやプノンペンなどで、相次いで大規模な犯罪集団の摘発をして来ている。
[日本カンボジア協会のご入会 ]
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