タイ、プレアビヒア寺院へのアクセス再開を要請
カンボジア通信 No.23/37
5月23日
クメールタイムズ紙によると、タイのウボンラチャタニ県知事は5月22日、カンボジア政府に対し、現在は閉鎖されているプレアビヒア寺院(タイ名:カオプラビハーン)へのタイ側からのアクセスを許可するよう求めた。プレアビヒア寺院は、タイ・カンボジア両国の国境にあり、国境線をめぐって対立が起きていた。
同紙によるとタイ側は、タイのシーサケット国境ゲートから、プレアビヒア寺院への観光客のアクセスを許可するよう求めてきたという。プレアビヒアのカンボジア国軍当局者は、「両国の関係は良好で、コミュニケーションも正常であり、国境の再開は問題ない」と話している。
プレアビヒア寺院2008年に世界文化遺産に登録された。高さ625メートルの断崖の頂にあり、カンボジア側からも、タイ側からも入ることができる。この寺院の帰属や周辺の国境線をめぐっては対立があったが、1962年にハーグの国際司法裁判所がカンボジア領内であることを認めた。しかしそれ以降も両国対立の火種となり、2008年以降は、一時交戦状態になるなど事態が悪化した。このためタイ側からの立ち入りは2008年以降、不可能になっている。