カンボジア中銀、2022年経済成長率を5.1%と予測
カンボジア通信 No.23/03
1月 12日
カンボジア中央銀行(NBC)によると、2022年のカンボジア経済の成長率は5.1%となる見通しであることが分かった。1月11日に発表した「マクロ経済と銀行セクターの発展/2022年と2023年の見通し」で明らかにした。プノンペンポスト紙が報じた。
NBCによると、2022年は、「コロナ禍から経済は回復傾向にあったものの、中国でのゼロコロナ政策やロシアによるウクライナ侵攻などによるサプライチェーンの混乱、燃料などの物価高が影響を与えた。このため、世界のインフレ率は8.8%と、2021年の3.4%から大幅に上がった」。カンボジアでも、2022年の物価上昇は5.3%となり、2012年の2.9%を上回った。
こうした厳しい状況の中、カンボジアでは、「新型コロナと共に生きるニューノーマル下の経済回復計画と戦略的フレームワーク2021年―2023年」に基づき、対策が進められた。その結果、2022年の経済成長率は、製造業セクターで9.4%、ホテル・レストラン産業で15.2%、交通産業6.1%、小売業で4.5%となる見込みだ。また、貿易は輸出が19.8%増で、輸入は8%増。新型コロナにより深刻な打撃を受けた観光収入は6.6%の伸びを示し、海外就労者からの送金も4%増加した。また、海外からの直接投資は4%の伸びを示しており、その内容は主に縫製業や食品加工業であるという。
一方NBCは、2023年の経済成長率を「6%前後の伸び」とみている。行動制限の緩和により、観光セクターは18.5%の大きな伸びを示すとみられているが、建設セクターや不動産セクターはそれぞれ1.7%、1.2%程度の伸びにとどまるとみている。さらに、長引くウクライナ問題のために世界経済の行方は不透明で、カンボジアの物価にも影響を与えそうだ、としている。