カンボジア、入国制限の緩和を検討 新型コロナ新規感染者は「減少傾向」
カンボジア通信 No.21/76
2021年10月15日版
カンボジア政府は、新型コロナワクチンを接種し、比較的リスクの低い国から来訪する外国人客を、隔離期間なしに受け入れる方法についての検討を開始した。10月上旬のプチュンバンの連休後も、急激な感染者増がみられなかったことから、入国制限の緩和に向けて議論をしているという。クメールタイムズ紙が報じた。
保健省報道官によると、政府の新型コロナ対策委員会は、経済活動を回復するために入国制限を緩和する戦略を話し合っているが、実現するためには国民が予防策を徹底することも必要だ、との見方を示している。また、報道官は、観光省がすでに緩和対象国となる感染低リスク国について検討を開始していると述べた。
また報道官は、プチュンバンの連休で多くの人が移動したにもかかわらず、新規感染者の急激な増加はみられなかった、と指摘。これは極めて高いワクチン接種率が奏功した、としている。
労働省報道官はクメールタイムズ紙に対し、「プチュンバンの連休後、17万人以上の労働者が新型コロナの検査を受けたが、そのうち陽性と診断されたのはわずか462人だった。これはワクチン接種が進んだこと、そして各工場が安全策を徹底したこと、そして一人ひとりの労働者が予防策を守ったことによる成果だ」と、述べた。
ただ一方で、プノンペン都は感染リスクの高い経済活動として、映画館、カラオケ、ナイトクラブ、ビアガーデンなどの娯楽施設の営業停止を、15日からさらに14日間延長することを決めた。私的な会合の人数制限は15人から50人に拡大されたが、警戒は続いている。
カンボジア全国の新規感染者は1日200人台に減少しており、累積で約11万6,000人。死者は10月14日現在で2,584人となっている。