「唯一の解決方法は平和的な交渉」ウクライナ危機でフン・セン首相
カンボジア通信 No.22/16
2月28日版
カンボジアのフン・セン首相は2月28日、ロシアによるウクライナ侵攻について、インターネットメディアのフレッシュニュースを通じて、「対立の唯一の解決方法は平和的な交渉だ」と、述べた。クメールタイムズ紙が報じた。
同紙によるとフン・セン首相は、「ロシア軍は軍事力を使ってもウクライナを打ち負かすことはできないかもしれない。また、ウクライナ軍も、ロシア軍を壊滅して戦争を終わらせることはできないだろう。唯一の解決方法は、平和的な交渉だけだ」と、述べた。
ロシア軍の侵攻により、多くの生命が奪われたことに触れ、「この戦争を終わらせるのに何日かかり、何人の軍人が必要なのか。ロシアがたとえウクライナ全土を支配し、大統領を殺害または拘束したとしてもこの戦争は終わらないかもしれない」と、戦いが泥沼化することを指摘した。
ロシアがかつて、ソビエト連邦時代にアフガニスタンに侵攻したことや、米軍とNATO軍がその後、アフガニスタンに駐留したことにも言及し、今回、ロシア軍がウクライナに長期駐留することになれば何が起きるか、歴史が示している、とした。
そして、「最も重要なことは、平和的に交渉することである。血塗られた戦争を終え、真の平和を実現することがお互いにとっての利益である。ロシア、ウクライナ両国に対話を呼びかけたい」と、述べた。
同紙の別の記事によると、ウクライナ国内には23人のカンボジア人が現地で家庭を持つなどして暮らしているという。外務省によると全員が無事だが、これから先に不安を抱いているという。