ASEAN特使、ミャンマー訪問かなわず
カンボジア通信 No.22/87
12月 6日
カンボジア外務国際協力省の報道官は12月5日、東南アジア諸国連合(ASEAN)特使を務めるプラック・ソコーン外相が、計画していた年内のミャンマー訪問を実現できなくなった、と述べた。ミャンマーでは、昨年2月のクーデターで実権を握った国軍が、抵抗する国民の弾圧を続けており、これまでに軍への抗議行動に抵抗した2500人以上が殺害されている。ASEANは国軍代表者の会議出席を認めていない。
クメールタイムズ紙によるとソコーン外相は11月、ASEAN特使として今年中に3度目のミャンマー訪問と国軍関係者らとの会談を計画しているとしたが、調整がつかず、カンボジアが議長国を務める12月末までに実現することは不可能となった。
ミャンマー国軍は事態の収拾に向けてASEAN側と、暴力の即時停止など5項目について合意をしたが、ASEAN側は5項目の実現について成果が見えない、としている。ミャンマー国軍は今年7月、拘束していた民主化運動家4名を処刑。議長国カンボジアのフン・セン首相を含めた国際社会が激しく非難した。さらに11月30日には、元軍人の殺害に関与したとして、ヤンゴンにあるダゴン大学の学生7名に死刑を宣告している。
ASEANの議長国は1月1日に、カンボジアからインドネシアになる。国軍の姿勢に変化が見られないことについてASEAN内にはいら立ちが募り、ミャンマーを加盟国から除名せよ、との声も上がっており、インドネシアの采配が注目される。