ミャンマー軍部による4人の処刑にASEANが声明 「厳しい非難に値する」
カンボジア通信 No.22/53
7月26日版
昨年2月にミャンマーでクーデターにより実権を握った軍部が、民主運動家ら4人の死刑を執行したことについて、東南アジア諸国連合(ASEAN)は7月25日、「ASEANと軍部が正常化に向けて合意した5項目の実現に向けての努力を踏みにじるものだ」とする声明を発表した。
プノンペンポスト紙によると、声明では、「ASEAN議長国のカンボジア、フン・セン首相が、死刑執行について再考を求めたにもかかわらず、4人が処刑されたことを強く非難する。ASEANはこの事態を深刻に受け止めている」と、している。
ミャンマーはASEAN加盟国であるが、ASEANは軍部をミャンマーの代表とは認めていない。昨年2月のクーデター以降、ミャンマー国内では軍部の支配に抗議する活動が続いており、国民は厳しい弾圧を受けており、これまでに抗議活動に参加した約2000人が殺害されたという情報もある。こうした事態を受け、ASEANは、議長国閣僚が「特使」となりミャンマー軍部と接触し、正常化を図ってきた。軍部は、ASEANが提示した暴力行為の即時中止、民主化勢力との対話の再開などを含む5項目に合意をしたものの、進展はないままだ。
プノンペンでは7月31日から8月6日までASEAN外相会議などが開かれる。ミャンマー軍部は加盟国や対話パートナー国の非難を浴び、ますます孤立を深めることは必至だ。