カンポット州、2023年までに地雷を完全撤去へ
カンボジア通信 No.22/60
8月29日版
カンボジア地雷対策・被害者支援庁は、2023年までにカンポット州の地雷はすべて撤去される計画だと発表した。カンボジア政府は2025年までに全国で地雷撤去を終える目標を掲げている。
クメールタイムズ紙によると、カンポット州内では2022年8月から2023年6月までの間に、残存する地雷原での撤去作業が実施されるという。
カンボジアでは1970年代からのポル・ポト時代や内戦で多くの地雷が埋設された。1991年には内戦は終結したものの武力衝突は続き、地雷撤去は困難を極めた。このため、地雷による死者や負傷者は後を絶たず、また、和平が実現しても地雷原となった土地は使えないままだった。
2000年代に入ると、武力衝突は減少し、経済成長とともに社会は安定し始めた。日本を含む国際社会の支援を受けてカンボジアの地雷除去は進み、被害者も減った。一方、蓄積された地雷除去の技術を活用し、カンボジアは近隣アジア諸国やアフリカ諸国などでの地雷除去活動に協力。内戦の「負の遺産」を有意義な活動に転換しているとして注目されている。