カンボジア観光、新型コロナの影響深刻
4月はアンコール遺跡群に654人
カンボジア通信 No.20/29
2020年5月4日版
クメールタイムズ紙などによると、新型コロナウイルスによりカンボジアの観光業は壊滅的な打撃を受けている。ただ、観光客数が最も多い中国で、新型コロナウイルスの感染拡大が抑制され始めたことから、間もなく中国からの観光客が戻ってくるものと期待が高まっている。
カンボジア航空局(SSCA)によると、4月の航空機利用者は前年同期比で90%も落ち込んだ。また、世界遺産アンコール遺跡群も、甚大な影響を受けており、1月から4月のチケット等売り上げは、前年同期比で約60%にまで落ち込んだ。特にこの4月は前年同期比で99.5%の落ち込みとなり、チケット等売り上げはわずか29,368ドル。654人の観光客しか訪れなかったという。
カンボジア観光省のTith Chantha氏によると、同省は「コロナ明け」の中国人観光客増加に向けた準備をするように指示しているという。同氏は「中国政府が国民に旅行を許可したり、航空便の運航を再開したりした場合、中国人観光客の波が押し寄せるだろう」と、している
新型コロナウイルスの感染拡大により、世界経済は深刻な打撃を受けている。カンボジアで5月4日現在に確認された感染者数は122人で、すでに2週間以上、新規感染者が確認されていない。このため国内では、社会活動の再開に向けて楽観的な雰囲気が出始めているが、教育機関や娯楽施設、観光施設などの閉鎖は続いている。アジア開発銀行(ADB)によると、カンボジアの観光収入はGDPの3.5%に当たる8億5,650万ドルの落ち込みが予想されている。また、欧米諸国の経済活動縮小により、主要な輸出品である縫製品・製靴の輸出減が見込まれ、カンボジアも経済的な打撃からは逃れられないとみられる。
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