アジア開発銀行、カンボジアの成長予測マイナス4%に
カンボジア通信 No.20/65
2020年9月24日版
アジア開発銀行(ADB、本部マニラ)はこのほど、2020年の経済成長率予測を改定した。カンボジアについてはマイナス4%で、6月時点で予測していたマイナス5.4%よりもやや改善するとした。
クメールタイムズ紙によるとADBは上方修正の理由として、農業と、縫製業以外の製造業が堅調であることを挙げた。また、ADBは7月、「新型コロナウイルス感染の影響によりカンボジア国内で約39万人が失業する」との予測をしているが、これについては修正しておらず、全体的に厳しい経済状況となることは免れないとみられる。
ADBによると、東南アジア全体の2020年の経済成長率は、マイナス3.8%だが、2021年には回復し6.8%の成長率となる見込みだ。
ADBのカンボジア代表は「カンボジア政府は、構造的な改革が必要なものの、新型コロナウイルスが国民に直接的な打撃を与えないよう、中小企業を中心に経済的な支援策を打ち出して対応をしている」と、一定の評価をした。
落ち込みが最も激しいのは観光業で、ADBはマイナス15.1%と予測。また、主要貿易相手国である欧米からの発注が激減する縫製業も深刻な打撃を受け、全国の工場の30%近くが閉鎖されるだろう、としている。
一方で、精米など農作物の輸出は増加するものとみられており、中国や韓国などとの二国間自由貿易がこの分野で恩恵を被る見込みがある、と指摘している。
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