2021年度の最低賃金、192ドルに 前年度比1%の上昇

カンボジア通信 No.20/63
  2020年9月15日版 

カンボジアで2021年1月1日から適用される最低賃金が月額192ドルに決まった。前年度の190ドルと比べて約1%の上昇にとどまった。クメールタイムズ紙などが報じた。

 同紙によると、政府、経営者、労働団体の3者で構成する労働諮問委員会は月額190ドルで合意。その後、フン・セン首相が2ドルを上乗せすることを決め、192ドルになった。前年度は、187ドルで合意後、フン・セン首相が3ドルの上乗せを指示した。

 労働省によると、ワーカーには基本給のほかに、10ドルの皆勤手当て、7ドルの交通費など諸費が支払われるため、それらを含めると毎月220ドルになる、としている。

 今回の労働諮問委員会では、労働団体側は12.35ドル(6.5%)の上乗せを求め、経営者側は18ドル(9%)の引き下げを求めていた。新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な不況と、欧州連合(EU)のカンボジアに対する経済制裁が8月に発動されたことなどから、カンボジアの経済は縫製業セクターや観光セクターなどを中心に深刻な打撃を受けており、労働諮問委員会での合意額は今年と同じ190ドルにとどまった。ここにフン・セン首相が3ドル増を指示することで、かろうじて増額を確保した形だ。




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