ASEAN、ロシアとの外相会合を8月に開催へ

カンボジア通信 No.22/36
5月26日版


東南アジア諸国連合(ASEAN)は、8月に、ロシアとの外相会合を開催する予定であることを明らかにした。クメールタイムズ紙が報じた。ASEANにはロシアを含む10カ国の「対話パートナー」があり、毎年「ASEANプラス1」の枠組みで対話を続けている。

 同紙などによると、ロシアは1996年にASEANの対話パートナーとなった。ロシアとの間の貿易額は2019年に182億ドルとなり、ASEANにとって9番目に多額の貿易相手となっている。また、ロシアのASEANに対する外国直接投資は2019年で4500万ドルに達し、投資額において9番目の国となっている。

 ロシアのウクライナ侵攻について、ASEANは暴力による一方的な現状の変更を非難する声明を出しているものの、ロシアを名指しで批判したり、ASEANとしての制裁に踏み切ったりしてはいない。各国の対応もまちまちで、経済制裁に踏み切ったのはシンガポールのみ。今年3月の国連でのロシア非難決議には、カンボジアやシンガポールが共同提案国に名を連ねる一方、ラオスやベトナムは「棄権」した。

 また、初めてG20の議長国を務めるインドネシアは、今年11月に同国でG20首脳会議を開くことになっている。米国などは「ロシアの排除」を求めているが、インドネシアは議長国として「すべての加盟国を招待する」としている。

 ウクライナでの戦況が長引く中、人道的な立場は明確にできても、政治的には慎重にならざるを得ない国々も多く、ASEANがロシアとどう向き合っていくか、注目される。 


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