フン・セン首相、ウクライナ公式訪問へ
カンボジア通信 No.22/80
11月 6日
カンボジアのフン・セン首相は11月1日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話で会談をした。カンボジア政府によると、ゼレンスキー大統領はフン・セン首相をウクライナへ公式に招待し、フン・セン首相はこれを承諾したという。クメールタイムズ紙などが伝えた。
電話会談でゼレンスキー大統領は、カンボジアが国連のロシアによる侵攻を非難する決議を支持したことについて深く感謝する、と述べた。フン・セン首相は、最近のウクライナでの戦況について、「攻撃により多くの国民が死傷し、インフラがダメージを受けている」と懸念を示した、また、世界的に起きている深刻なエネルギー、食料不足、価格高騰などに対する懸念も共有した。
また、フン・セン首相は「戦争は戦争では終わらない。平和的な交渉、平和的な解決方法を模索しなくてはならない」と述べたうえで、「カンボジアは、武力を用いた暴力的な領土拡大に反対する立場を維持していく」と、伝えたという。さらに、「日本政府と協力して、ウクライナに地雷除去要員を派遣する用意がある」と、伝えた。
カンボジアでは11月半ばに東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議をはじめ、東アジアサミットなど幅広い対話パートナーとの会議が開かれる。米国のバイデン大統領は一連の会議に参加することを表明しているが、ロシアのプーチン大統領は招待に対してまだ返答がないという。