3万人以上がタイで給与未払いか カンボジア内務省が懸念
カンボジア通信 No.22/14
2月27日版
カンボジア内務省は2月27日、タイで就労したカンボジア人約3万人が、契約にない長時間労働や給与の未払いで搾取されている可能性がある、と述べた。クメールタイムズ紙が報じた。
プノンペンで開かれた「反人身売買フォーラム」で、カンボジア反人身売買委員会のチョウ・ブンエン副委員長が発言した。副委員長は、「新型コロナの感染がいまだ世界で拡大している現在、国外に職を求めるよりも、カンボジアに居たほうがいい」と、述べた。
副委員長は、カンボジア政府が、新型コロナの影響を受けた縫製業ワーカーに月額30ドルを支給していたことなどを挙げ、「収入のことだけではなく、家族のことや、子どもたちと幸せに暮らすことを考えると、国内にとどまる方が得策だ」と、述べた。
同紙によると、この会議に参加した労働者団体は、「海外就労で搾取されたりだまされたりするのは女性が多い。なぜなら彼女たちは家族を支えるために新型コロナのロックダウン中に違法に国境を越えて就労したケースが多く、社会的に弱い立場にあるからだ」と、指摘した。
カンボジアでは、主に農村地帯から隣国タイに陸路で出稼ぎに行く人が多い。新型コロナの感染が拡大し、タイ国境の移動が制限された時期もあったが、その際にも違法に越境する人たちが後を絶たなかったという。