洪水の死者16人に 首都では豪雨被害も

カンボジア通信 No.20/70
  2020年10月13 日版  

カンボジア各地で10月初めから洪水が発生しており、被害が広がっている。クメールタイムズ紙によると、10月12日までに全国で子供を含む16人が死亡した。

 カンボジア内務省によると、洪水の被害が出ているのは、スバイリエン、プレイベン、バンテアイミエンチェイ、カンダール、コンポントム、パイリン、プレアビヒア、コンポンチュナン、ストゥントレン、バッタンバン、シェムリアップ、コンポントム、コンポンスプーなどの州で、広範囲にわたる。

 なかでも被害が深刻な州はバッタンバンとポーサットで、バッタンバン州のラタナック知事は、約2000世帯が洪水により家屋が被害を受けた、と話している。また、ポーサットのトニン知事は10月11日、州内の国道5号線の使用を禁じ、通行止めとした。カンボジア政府は被災者向けに支援物資の米を配布しているが、人命や家屋への被害に加え、農作物や家畜への被害も甚大になるとみられる。

 今回の洪水被害に対し、三上正裕・在カンボジア日本大使は、「深刻な洪水被害が多くの州に広がり、人命を奪い、多くの方々に避難を強いたことを悲しく思います。犠牲者に哀悼の意をささげ、ご家族にお悔みを申し上げます。被災者のみなさんはじめ、カンボジアのみなさんの安全が確保されるよう、被害が早期に回復するよう願っています」とのメッセージを発表した。

一方、首都プノンペンでは週末の豪雨で洪水が発生し、毛沢東通りなど幹線道路を含む多くの道路が冠水した。郊外では通行止めになる場所も多く、都内の交通は各地でマヒした。また、道路わきには、従業員のストライキで回収が遅れているゴミが積みあがっており、洪水によりこれらのゴミが流れだす事態も発生。多くの家屋で床上・床下浸水の被害が発生している。

 


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