カンボジアで「好条件の仕事」、被害の台湾人300人以上か
カンボジア通信 No.22/59
8月24日版
カンボジアで好条件の仕事がある、という情報にだまされて台湾などから訪れた人が、現地で詐欺に巻き込まれたり、監禁されたりする被害が相次いでいる事件で、カンボジアの中国大使館は8月20日、同国内の台湾人に対し「中国大使館に相談するように」と、呼びかけた。クメールタイムズ紙が報じた。
同紙が中国メディアから引用した8月20日付けの記事によると、台湾側は少なくとも373人の台湾人が「偽の雇用情報」にだまされてカンボジアへ渡り、今も333人がカンボジア国内に滞在しているとしている。
台湾当局は、こうした事件が相次いでいることから、台湾内で今年3月から7月にかけてカンボジアに渡った家族がいる4000世帯以上を訪れ、帰宅の有無を調べた。その結果、144人は本人の意思に反してカンボジアに滞在させられていることが確実であり、200人以上が偽の雇用情報に応じて渡ったことが分かった。
台湾当局は、そのほかの情報と合わせて、最低でも300人以上が被害に遭っている、とした。また、偽の雇用情報のうち99%が電話による詐欺に加担させられているという。報道によると、監禁されたり、暴力を受けたりするケースも報告されている。
この事件では、台湾のほかに香港からもだまされてカンボジアに渡った人が多数いるとみられ、香港当局も情報収集や対策に乗り出した。