フン・セン首相とミャンマー国軍司令官が会談 5月下旬ASEAN特使派遣
カンボジア通信 No.22/33
5月6日版
フン・セン首相は5月2日、ミャンマー国軍のミン・アウン・ライン司令官とオンラインで会談した。東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国であるカンボジアは、同国外相を特使としてミャンマー問題の解決に取り組んでいる。カンボジア各紙が伝えた。
ミャンマーは昨年2月に国軍がクーデターで実権を握り、民主化を求める国民を武力で弾圧するなどの混乱が続いている。ASEANはミャンマー国軍による政府を代表として認めておらず、国軍側に対し、事態の解決を求めている。
クメールタイムズ紙によると今回の会談でミン・アウン・ライン司令官は「平和的解決を模索するカンボジアの努力に感謝をしている」と語った。フン・セン首相は、同司令官に対し、ASEANとミャンマー側との間で合意された「5項目」のうち、特に、暴力の停止、人道支援、包括的な政治対話について、積極的な対応を求めたという。
ASEANは、カンボジアのソコン外相を特使として5月下旬にもミャンマーに派遣する。フン・セン首相はミン・アウン・ライン司令官に対し、訪問時にはアウン・サン・スー・チー氏を含むすべての関係者との面会ができるように求めた。
一方、5月6日にはミャンマーへの人道支援について話し合うASEANの会議がプノンペンで開催され、ASEAN事務局長や国連関係者、ミャンマー国軍関係者が出席した。プノンペンポスト紙によると、ミャンマー人道支援については前向きな動きがあった、という。具体的には援助の優先度が高いと思われる5地域のうち、さらに2カ所を最優先地点として援助を実施することで協議しているという。新型コロナの感染拡大など課題は山積しているが、「人道支援への課税」という国軍側の条件については話し合いの結果、撤去されたという。