カンボジア、新型コロナで目立つ輸入症例増 保健省は詳細を公表せず
カンボジア通信 No.21/50
2021年 7月 5日版
カンボジアでは新型コロナの新規感染者が連日1,000人に迫る勢いになっており、市中感染とともに、国外から感染が持ち込まれる輸入症例が増えていることが分かった。しかしカンボジア保健省は新規感染者の詳細を公表しておらず、クメールタイムズ紙は、情報の透明性を求める記事を掲載した。
報道によると、7月4日に保健省が発表した過去24時間の新規感染者数は993人。そのうち輸入症例は214件となっている。また、死者は720人にのぼる。これまでの累計感染者数は54,291人となった。保健省は当初、新規感染者の居住地や、輸入症例の詳細を毎日発表していた。しかし現在は総数のみで詳細は不明だ。特に輸入症例は6月に入ってから急増しているが、感染者がカンボジア人なのか外国人なのかも発表されていない。
クメールタイムズ紙は「輸入症例だというだけでなく、タイから帰国した移民労働者なのか、空路なのか、水路なのか、旅行者なのか、どこから入国したのか。そういったことも公表されなければ透明性がある情報とはいえない」と、指摘した。
また、専門家の意見として、「保健省や公衆衛生関係者は、感染経路やその後の追跡をするために、どこのだれが感染したのかを知る必要があり情報はもっている。しかし、それを知らされない人々はどうだろう。不必要に怖がらせるのではなく、感染が拡大している事実をきちんと理解させ、さらに注意を促すためにも情報公開は必要だ」との見解を載せている。
カンボジア国内ではワクチン接種も進んでおり、7月3日までに約440万人、目標とする1000万人の4割以上が接種完了しているという。