海外送金額が17%減少 新型コロナで失業者増え
カンボジア通信 No.21/43
2021年 6月 5日版
カンボジア中央銀行によると、2020年にカンボジア国内で受け取られた移民労働者からの海外送金額は約12億ドルで、2019年の約15億ドルから17%落ち込んだことが分かった。プノンペンポスト紙が伝えた。
同紙によると、送金元として最も多額だったのはタイで約73%、続いて韓国で16%、日本は6%、マレーシア1.4%となっている。いずれも前年比で減少しており、タイは11%下落、韓国は30%、日本は4%、マレーシアは51%それぞれ下落した。
中央銀行は、下落は新型コロナによる渡航制限や失職が影響している、と指摘。「多くのカンボジア人労働者がカンボジアに戻ったが、一方で新たな就労者は少なかった。2020年の海外移民労働者は120万人で、前年の130万人から8%減少している」と話す。カンボジアの移民労働者の多くは、タイ、韓国、マレーシア、シンガポール、日本にいるという。
アジア開発銀行は、新型コロナの感染拡大により2020年の海外送金額が、世界で1,000億ドル以上減少したとみている。海外送金の主な担い手である移民労働者が、職業を失ったり、帰国を余儀なくされたりしているからだ。渡航制限で新たな就労も困難になっている。しかし、東南アジア諸国への送金額の減少率は18.6%にとどまり、南アジア諸国への送金額の減少率24.7%、中央アジアへの送金額の減少率24.8%よりも低い見込みだ。