フン・セン首相、2022年ASEAN議長国就任に向けて決意

カンボジア通信 No.21/60
2021年8月10日版

ノンペンポスト紙によると、カンボジアのフン・セン首相は8月8日、東南アジア諸国連合(ASEAN)の結成54周年を記念して、メッセージを発表した。2022年度議長国を務めるカンボジアの首相としての現状認識と地域の課題解決に向けての決意を述べた。
 フン・セン首相はASEANが直面する課題として、まず、新型コロナのパンデミックが地域のみならず世界規模で経済成長に歯止めをかけており、人々の暮らしに苦難をもたらしている、と指摘した。さらに、「大国の対立が貿易や技術戦争にエスカレートし、ASEAN地域の平和と安全、更なる繁栄に影を落としている」として、米中対立が東南アジアに与える影響を指摘した。また、技術革新による社会の変容、気候変動や環境問題、違法薬物取引など国境を越えた問題などが課題である、とした。
 そのうえでASEANにとっての最優先事項は、「新型コロナからの回復と、長期にわたる経済不況への忍耐力の強化」である、とした。
 ASEANは毎年、加盟国10カ国が持ち回りで議長を務める。カンボジアは1999年に加盟国となった。「内政不干渉」と「全会一致」を協議の原則としているが、中国を巻き込んだ南シナ海紛争や、国軍によるクーデターで多くの国民が犠牲になっているミャンマー問題など、ASEANの原則を見直す必要も指摘されている。



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