カンボジア産香り米、中国市場に期待

カンボジア通信 #17
 2019年11月1日版

  カンボジア・コメ協会のチャン・ソクヘン副会長は10月31日、プノンペンポスト紙の取材に応じ、本年のカンボジアから中国への米輸出量が、中国の輸入割当量である年間40万トンに達する見込みであることを明らかにした。

同紙によれば、カンボジアから中国への輸出米は、今年1月から9月までの間で、すでに398,586トンに達している。前年同期比で2.3%の増加。また、本年の国際市場への輸出は、昨年比8%増と見込んでいる。

同協会は、2022年に世界市場で100万トンの輸出、うち35%を中国市場に輸出、また、その内訳を高価な香り米30%、通常香り米40%、普通米30 %とすることを目標にしている。

 ソクヘン副会長によると、同協会は、対欧州輸出が減少傾向にあるのをカバーするため、中国への米輸出量を増やすことを目指し、カンボジア産米の魅力を伝える中国でのイベントなど、積極的な売り込み活動を行ってきた。なかでも、4年連続世界一の高い評価を受けているカンボジアの香り米の輸出を促進したい考えだ。「カンボジア産米の質の良さが理解され、中国への輸出量は伸びている。中国市場には大きな可能性がある」と、期待する。

同紙によると、中国市場でのカンボジア産香り米は1トンで920米ドルから930米ドル。タイ産香り米が1,150米ドルから1,200米ドルであることから、「価格的にも十分競争力がある」と指摘する。

カンボジアは国民の多くが農村部に暮らす農業国だが、農業就業人口は減少傾向にある。また、適切な加工施設や流通インフラが整っていないため、農産物の一部は隣国に非公式に持ち出され、他国産品として国際市場に出回っていることが、今もあるという。

カンボジア政府は、農産物の中でも主要産品である米の生産と輸出を近代化しようと、2010年に「米輸出新政策(ライスポリシー)」を打ち出し、国を挙げての取り組みを続けてきた。目標である年100万トンの精米輸出にはとどいていないが、今後も積極的な海外市場の開拓で「国産米」の存在感を高めたい考えだ。



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