高校卒業試験で150人以上が「落第」に抗議

カンボジア通信 #4
 2019年9月13日版

 プノンペン・ポスト紙などによると、9月11日、8月下旬に行われた全国統一高校卒業試験で、「落第」などとされた生徒150人以上が結果を不満として親とともに教育青少年スポーツ省に抗議した。

 カンボジアでは、高校3年生にあたる12年生は全国共通の「卒業試験」を受ける。結果はAからFの5段階で示され、Fの不合格とされた生徒は卒業をあきらめるか、次年度の試験を受け直すことになる。

 5年ほど前までは、この試験でカンニングや教師の買収などの不正が横行。2014年度にはついに新任のハン・チュン・ナロン教育大臣の号令のもと、不正撲滅の大改革が実施された。その結果、80%以上だった合格率が25%程度にまで落ち、社会に衝撃を与えた。

 以後、不正撲滅だけではなく、教員の養成などの教育改革は続き、9月10日に発表された今年度の結果は、受験者11万7,000人中、67.54%にあたる79,000人余りが合格したところ、これは、昨年より1.33%増。そのうち、Aの評価を得たのは、443人で、昨年度より35人増加した。

 ところが今年度は、この結果に疑問を持つ生徒が続出した。地元紙には、「ふだんの成績ならAかBのはずなのに不合格だった」「学校へ来ていない生徒が合格して、勉強した自分が不合格なのはおかしい」などの声が掲載された。

 生徒たちは、「もう一度点検してほしい」「採点の基準を明示してほしい」との嘆願書を教育省に提出。これを受け教育省は9月12日、結果を点検する委員会を設置したことを発表した。どのような作業をするかは明かされていないが、「採点に誤りがないこと」を確認するとしている。

 なお、昨年は、数学で不合格であった何百人かの生徒により不服の申し立てがあり、点検のための委員会が設けられた結果、コンピューターのシステムの不具合による誤算が発見され、合格者数が75,059人から76,034人に増加した経緯がある。

 



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