プノンペン都、工場での集団感染を防ぐガイドラインを発表

カンボジア通信 No.21/46
2021年 6月 17 日版   


プノンペン都知事は6月16日、都内の工場や企業で働く人々の集団感染を防ぐためのガイドラインを発表した。プノンペンポスト紙などが伝えた。

 プノンペン都内には2021年第1四半期現在で、764カ所の工場、4,985カ所の小規模作業所があり、合計で47万人余りを雇用している。今年に入ってからは34カ所の新しい工場が設立されたという。スレン都知事は、「そのほとんどが現在では通常稼働している」と述べた。

また、都知事は工場での集団感染の一因として、様々な工場の労働者が一緒に生活をしたり、同じトラックなどで密接して通勤したりしている状態や、保健省の感染予防策をとっていない屋台などで食べ物を購入していること、を挙げた。

 今回発表されたガイドラインによると、ここ一年ほどの間に、すべての工場主は工場内に労働者のための適切な休憩室、食堂を設けなくてはならない、としている。また、工場は毎日、適切な消毒を実施し、必要に応じて新型コロナの検査や隔離や治療を実施しなくてはならない、とした。さらに工場は新型コロナのラビッドテストを常備し、労働者のリストを常に更新して最新のものにし、新規雇用された労働者には必ずラピッドテストを実施することとしている。

 また、工場の内外で不衛生な状態で飲食物を販売することは禁じられ、工場側と契約をした飲食販売者以外の販売は許可しない、という。さらに、工場の労働環境は1.5メートルのソーシャルディスタンスを確保できるようにしなければならず、また工場外での労働者の集会はすべて禁止する、としている。労働者が居住する家についても規制があり、工場の近くであることや、違う工場に勤める労働者が同居してはならない、などとしている。感染の原因の一つでもある、と指摘された通勤方法については、多くの人と同乗する車両はできるだけ避けることとし、それができない場合は、マスク着用や手指の消毒を徹底し、車内で飲食をしないことなどを指示。また、車両に乗る人数を半減することも求めている。

 このガイドラインについて、労働者団体は、「感染予防に取り組むことに異論はないが、法的な拘束もなく実際にどこまで実施されるかは不透明」と、指摘。ガイドラインに従うために工場側からの福利厚生費の上積みがなければ、労働者側の経済的負担が大きくなる、と懸念を示している。






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