ASEANとカンボジアの将来は非常に魅力的

 


2020年2月21日 by 日本カンボジア協会

「ASEANとカンボジアの将来は非常に魅力的」

日本工営株式会社 代表取締役 社長 有元龍一氏
 コンサルタント海外事業本部 営業部長 田村勤氏 


4回目を迎える「日本カンボジア協会会員の皆様へのインタビュー」。

協会会員の皆様の生の声を聞いて、より身近に、そしてより詳しくカンボジアのことをご紹介する企画です。また、少しでもご興味を持っていただけましたら、日本カンボジア協会へのご入会を歓迎いたします。

今回は、日本工営株式会社様です。インタビュアーは日本カンボジア協会の高橋会長、加藤和則常務理事です。



高橋会長
:今日はお忙しい中、ご面談いただきありがとうございます。日本工営様には日本 カンボジア協会が1963年に発足した当初から、大変お世話になっております。法人会員は、 最盛期は50社以上おられたのですが、私が2014年に引き継いだ時は2社しかおられず、 そういった状況の中でも、日本工営様にはずっとご支援いただき、本当にありがとうございます。 おかげさまで今では法人会員は30社を超えるようになり、本当に皆様に支えていただいた結果です。

有元社長:そうですか。こちらこそ、いつもありがとうございます。やはり協会の情報網や精度 といった点では他の協会とは違うと聞いております。またそういったご縁があるのであればなおさらです。 本日はどうぞよろしくお願いします。

高橋会長:こちらこそよろしくお願いします。今日お伺いしたい内容は全部で5つほどありまして、 御社に関することが3つ。協会との関係で2つという内容ですがよろしいでしょうか?

有元社長:なんでも聞いてください。お答えできる範囲でお答えいたします。 高橋会長:ありがとうございます。まず御社に関することで言えば、

1. 日本工営様は、カンボジアでどのような事業を行っておられるのか?
2. 日本工営様にとってカンボジアはどういう位置付けなのか?
3. 今後、どういった方向性をお考えなのか? それと協会との関係で言えば、
4. 協会としてお役に立てることはありますか?
5. 協会の活動としては、どのようなことを期待されているか?

ということになります。どうぞよろしくお願いします。

有元社長:わかりました。少しご質問に対して話が前後するかもしれませんが、2019年の11月に 私はタイ、ベトナム、カンボジア、ラオスに行きました。これからのメコンエリアのマーケットを どう考えるのか?をテーマに現地のスタッフや現地のお客様と一緒に話をして来ました。 5日間ほどの慌ただしい旅程でしたが、非常に有意義でこのメコンエリアの将来性を強く感じたものでした。 私どもはカンボジア1国だけを見ているというよりも、メコン全体を通してカンボジアを見ていると言った方が適切だと思います。

メコン全体の開発へ弊社が取り組みだしたのは、1954年で、創業者の久保田が海外進出第1号となるビルマ(現ミャンマー)で バルーチャン発電所を受注したのが最初です。久保田が説いた 「誠意をもってことにあたれば必ず途(みち)は拓(ひら)ける」という言葉の通り、久保田が 誠意を持って発電計画の構想をミャンマー政府に提案したことが結果的にミャンマー政府に通じたのだと思います。

そしてこれがきっかけでベトナム、インドネシアに事務所を開設し、本格的に海外進出を進めていく こととなりました。特に、ベトナムにおけるダニム水力発電計画や中国、ラオス、タイ、カンボジア、 ベトナムを貫くメコン川の下流域総合開発計画調査への参加は、弊社にとって大きな転機であり、 またこれらを成功させたことで弊社の名が世界に広まるきっかけになったと思います。

田村理事:その中でカンボジアのプレクトノットの開発案件(ダム建設及び農業開発)では弊社も 取り組んでいたのですが、内戦もあり途中で止まってしまったという経緯があります。 非常に悔しい思いをしたと聞いています。

高橋会長:私も外務省入省当初に東南アジア第一課に配属され、その件は承知しており、思い出   深いですね。駐カンボジア大使になってから現状を把握するため現地を視察したのですが、   結局、十分な時間がなく、本件を動かすことができず残念でした。

有元社長:そうですか。そういうことがあったのですね。カンボジアに関しては内戦があって、 結果的に頓挫したわけですが、とは言え、今まで大小合わせて100案件ほどお仕事はさせていただいております。 昨今ではトンレサップの灌漑の事業、鉄道事業、シアヌークビル港、プノンペン地下送変電網整備などを させていただいております。

カンボジアに関してはプロジェクトの数が他国と比べて多いわけではないですが、コツコツと やらせていただいております。そしてちょうど今、シェムリアップで観光MaaS*に取り組んでいます。

*MaaS (マース:Mobility as a Service)は、複数の交通手段によるモビリティ(移動)を ひとつのサービスとして捉え、ICT 技術を活用してつなぐ新たな「移動」の概念のこと。利用者は スマートフォンのアプリを用いて、交通手段やルートを検索・利用し、運賃等の決済を行うなどの例がある。 

高橋会長:その取り組みはいつ頃からされているのですか?

有元社長:2019年くらいから取り組み始めています。カンボジアという国に関しては、こういった 先進的な取り組みに対して前向きな印象がありますから、どんどん進めていきたいですね。

高橋会長:他に新しい事業を検討されていますか?

田村理事:カンボジアのゴールデンシルクから取れる化粧品とかは魅力に感じています。加藤常務理事が 取り組んでいるもので、弊社も生産側で何かしらビジネスになれば面白いと考えています。

加藤常務理事:
カンボジアのゴールデンシルクを使ってシルクプロテインを抽出して、化粧品を作っていく事業をJICAの支援をもらってスタートすることになっています。そして高橋会長にもご支持いただき、 またカンボジア政府の方のご協力もあって進めている最中です。

有元社長:なるほど、そういうことをやってらっしゃるんですね。しかし、2019年カンボジアに 行った時に私の想像を超える成長をしていて非常にびっくりしました。

高橋会長:そうですね、私が赴任していた当時(2003年から2007年)とは様変わりですね。

有元社長:
人口もどんどん増え、産業も増えてきて、地価が上昇しているので、我々の得意分野である 都市開発や地下の変電所などもこれから必要になってくるのではないか、と考えます。 特に新興国においてはこれから必要になってくると思います。2019年10月に開催された 「日ASEANスマートシティ・ネットワーク ハイレベル会合」でもASEAN10カ国、26都市の 代表者が来られて話し合いが持たれましたが、ASEANがますます成長していくという期待を 持っています。

田村理事:特にカンボジア政府は、オープンなスタンスを持っていますし、長期的に取り組んで いきたいという思いはあります。

高橋会長:そうですね、確かに政権としては、長期的に安定しており、今後も長期的な計画が 立てられますからね。また、新しい取り組みに対しても非常に前向きですし、納得が得られれば 話が早いと思います。

有元社長:カンボジアは、色々とまだ問題はあるかもしれませんが、非常に面白い国だと思っています。 若い人も多いですし、技術の取り組みも早い。あとは中国の動きにどう対応していくか、そのあたりは興味深い。

田村理事:そう言えば、2019年末に協会としてカンボジアを訪問されましたね。いかがでしたか?

高橋会長:
そうですね、日本からの投資視察団の派遣をやっと実現できました。お陰さまで非常に 有意義な視察だったのではないかと思っています。

加藤常務理事:視察団に関しては、正に高橋会長の働きかけならではで、シハモニ国王にお会いすることができましたし、政府ナンバー2のソー・ケン副首相兼内相のほか、商業相、工業相等とも 協議したところ、これらの点を含め、日本カンボジア協会でしかできない視察日程になったと思っています。 また、ソク・チェンダ経済開発評議会事務局長との会合や外務省等の訪問もしたほか、現地で 国営放送等のテレビで取り上げていただきましたから、この大成功を基に2020年は100社 以上の日系企業の参加を得て、日本とカンボジアの架け橋になれればと協会としては考えてお ります。(注:コロナの蔓延により、第2回視察団の派遣は、延期となった。)

有元社長:すばらしい成果ですね。そういう個人的な人脈というか、お繋がりはさすがだと思います。 なかなか民間人だとできないですから。

高橋会長:ありがとうございます。実はフンセン首相にも面会を申し込んだのですが、偶々首相夫人の ご母堂が危篤で入院中ということがあり実現できませんでした(なお、ご母堂は、その後逝去されました)。 ですが、次回は可能性があると感じております。また、私が駐カンボジア大使時代に大臣や長官を されていた多くの方々が今でも大臣のままであったり、大臣になられているので、その点も ありがたい話ですね。長期政権だからこそできる話、ということでしょう。

加藤常務理事:この高橋会長とカンボジア政府の強固な関係性をもとに、協会としても会員の 皆様に還元できるように昨年から駐日カンボジア大使館におけるイベント等を増やしており、 今後、更に双方の接点を増やして行きたいと考えております。

田村理事:そういう取り組みは弊社にとっても非常に重要だと思いますし、新しい取り組みの可能性を感じますね。

高橋会長:現地の大臣も日本カンボジア協会との関係を維持、強化することには非常に興味を持っています。

有元社長:素晴らしい取り組みだと思います。今後はSDGs*がもっと取り上げられていき、特に 新興国であればあるほど、重要になってくると思います。協会がやられている活動がまさに SDGsであると思いますし、我々としても非常に期待したいですね。
 *SDGs(エス・ディー・ジーズ:Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))の 略称。SDGsは2015年9月の国連サミットで採択され、国連加盟193か国が2016年から2030 年の15年間で達成するために掲げた目標の事。

高橋会長:最後に、協会に期待することなどがあれば教えてください。

有元社長:政府とホットラインがあるというのは改めてすごいですね。やはりそこを期待してしまいます。そういったご縁は非常にありがたいと思っています。

高橋会長:これは、御社に当初からご支援いただいているからということもあります。改めて御礼申し上げます。

有元社長:いえいえ、しかし、今回メコンエリアを訪問して、我々の先輩は大きな仕事をしたのだなぁと改めて感慨深い思いを抱きました。そして、まだまだこのエリアは伸びると感じま した。カンボジアだけでなく、メコンエリア全体ということを考えて、その中で投資という観点でそれぞれの国を見ていくことが重要だと思っています。カンボジアは非常に面白い国だと思いますし、日本カンボジア協会の力も理解しました。ぜひ、これからもよろしくお願いします。

高橋会長:こちらこそ引き続きよろしくお願いします。今日は良い話を聞かせていただきありがとうございました。

有元社長: こちらこそありがとうございました。 

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