新型コロナ、市中感染で1万人以上を検査 新たな陽性者は38人に

カンボジア通信 No.20/85
  2020年 12月 9日版  


カンボジア保健省などによると、11月28日に確認された初めての新型コロナ市中感染で、これまでに38人の陽性が確認された。保健省は陽性者の名前や顔写真、行動歴を公表し、接触した可能性のある人たちに検査を呼びかけている。これまでに1万人以上の検査を実施したという。

 プノンペンポスト紙などによると、カンボジア国内で12月9日朝までに確認された陽性者は累計で354人。このうち307人はすでに回復しており、死者はいない。これまでの陽性者は、海外での感染やその濃厚接触者だったが、今回はプノンペンの高級住宅街にある衣料品店など、陽性者が訪れた場所でのクラスター感染が確認されていることから、人々の衝撃は大きく、政府も警戒を強めている。

 報道によると、保健省は11月28日から12月8日までの間に1万人以上の検査を実施した。すべて無料で、スタジアムなどに特設検査施設を設置。また、陽性者が会議に出たことなどがわかっている内務省では、プノンペンの同省を立ち入り禁止にしたうえで職員全員の検査を実施した。

 フン・セン首相は「経済活動を止める緊急事態宣言は出さない」としているが、不要不急の外出を避けるよう呼びかけている。さらにプノンペンやその周辺で20人以上の会議や集会を禁じているほか、すべての学校を休校にするなど警戒態勢を強めた。保健省は、レストランや銀行など接客のある事業所のスタッフは、全員がフェイスシールドをし、体調管理に努めるなどの通達をし、違反する店舗には営業停止も辞さない構えだ。

こうした動きを受けて、プノンペンの町は人出が減っている。感染者が確認された場合に備え、入店者全員に電話番号を尋ねている店舗や、営業時間を短くする店もある。また、臨時の検査施設が設けられたスタジアムには連日多くの人がかけつけている様子が伝えられている。

 






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