中国がカンボジア国軍に8400万ドルの援助

カンボジア通信 #15
 2019年10月25日版

 カンボジア国防省のティア・バニュ大臣は24日、中国がカンボジア国軍に対し約8,500万ドル(6億人民元)の援助を決定した、と述べた。プノンペンポスト紙等によると、バニュ国防相は、中国の湖北省で開かれていた軍人による世界競技会に、代表団とともに訪れていた。18日から5日間の滞在中に、中国の魏鳳和国防相と会談し、地域安全保障問題について意見を交わしたほか、第9回北京香山フォーラムに出席した。

 24日に帰国したバニュ国防相は空港で記者たちに対し、「中国による無償軍事援助は、カンボジア国軍の能力強化に寄与するものであり、両国の協力関係の深化を示すものである」と、語った。バニュ国防相によると、中国からの援助は国軍の先端装備の調達のほか、軍事訓練の向上やインフラ整備にも活用されるという。

 カンボジアは、中国との合同軍事演習を開始する一方で、米国との合同軍事演習を中断している。米国との関係について問われたバニュ国防相は、「中国はわれわれの欠陥の改善を全面的に支援してくれている。米国は、部分的な支援にとどまる上に、援助に別の条件を付けてくるので、歩調を合わせることは難しい」と、再開の見通しが低いことを示唆した。

  中国は、また、毎年、カンボジア兵200名以上を同国内の訓練で受け入れている。

 カンボジア国防省によると、2020年の中国・カンボジア合同軍事演習「黄金の龍」は3月に実施される予定で、カンボジア国軍から約2000人、中国国軍からは200人余りが参加する計画だという。

演習の目的は、テロ対策、人質解放訓練、自然災害救助訓練などが含まれ、カンボジア国軍兵員が、国連平和維持活動や国連工兵部隊の任務を遂行できるようにすることにあるとしている。参加部隊は、装甲車両、大砲や臼砲、ヘリコプター及び航空支援兵器等で、特段の変更はない。

 なお、第9回北京香山フォーラムでは、バニュ国防相は、その講演(英訳)において、大国間の国際関係の犠牲になりがちな中小国の国益の追求について訴える発言を行うとともに、カンボジアのこれまでの国連平和維持部隊に対する貢献を次のとおり紹介した。

 カンボジアは、過去13年間で同部隊に、6,352名(うち、女性は300名以上)を、8か国(中央アフリカ、チャド、キプロス、レバノン、マリ、スーダン、南スーダン,シリア[監視員])に派遣した。



 [日本カンボジア協会のご入会 ]
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