2020年の最低賃金は月額190米ドルに

カンボジア通信 #10
 2019年10月3日版(9月19日版の続報)

 9月20日付けの労働職業訓練省の発表によると、カンボジア国内の2020年1月1日からの最低賃金は、月額190米ドルに決まった。現行の182米ドルから4.4%の上昇となった。この最低賃金は、約80,000人といわれる縫製・履物製造業の工場労働者に適用されるが、他業種の賃金設定の目安にもなっている。カンボジア国立銀行によれば、この業種が同国において最大の雇用を抱えており、昨年は、100億ドルの生産額を達成している。

 そのほかの諸手当として、通勤手当7米ドル、住居手当10米ドルなどに変更はなく、すべてを合計すると、労働者の平均(最低)給与は月額207米ドル乃至218米ドルとなる。試用期間中の労働者の賃金も、185米ドルと、現行の165ドルから上昇した。

 カンボジアの最低賃金は、労使と政府が参加する労働諮問委員会により毎年協議される。今年は、政府から187米ドル、経営者側から186米ドル、労働組合側から195米ドルの提案があったが、話し合いによる妥結に至らず、最後は投票で決定。最多数を獲得した187米ドルが答申内容となった。プノンペンポスト紙によると、これにフン・セン首相が3米ドルの追加を指示し、最終的に190米ドルになったという。

 なお、イット・サムヘン労働職業訓練相によれば、隣国の最低賃金は、ベトナムの一部地域では120米ドル、ラオスやインドネシアでは110米ドルとのこと。

 カンボジアの最低賃金は、2013年に31%、2014年に25%、2015年には28%と、毎年大幅な引き上げが続いた後、2016年以降は9%~11%の間に落ち着き、2019年は7.1%の上昇にとどまった。2020年分は、2013年以降では最も小さい上げ幅となった。

 



 [日本カンボジア協会のご入会 ]
  こちらよりご覧ください

Related Articles

メニューを閉じる