メコン川の水位上がる、強い雨に警戒を

カンボジア通信 #8
 2019年9月30日版 

9月23日付けのプノンペンポスト紙などによると、水資源気象省は、プレアビヒア、オッドーミエンチェイ、ストゥントレン、ラタナキリ、モンドルキリ、バンテアイミエンチェイの各州では、9月末まで、豪雨が断続的に降る可能性があるとの警告を出した。特に、これらの州のタイ、ラオス国境地帯のメコン川流域では、既に、村落や農道で浸水しており、鉄砲水や洪水が発生する恐れもあるとして、注意を呼びかけている。

 カンボジア国内では9月上旬からメコン川の水位が上がり(例えば、緊急事態レベルの水位よりも20センチ高い10.90メートル)、各地で洪水が発生している。国家災害対策委員会によると、プレイベン、カンダル、コンポントム、プレアビヒア、クラチェ、ストゥントレン、コンポンチャム、トゥボンクモンの各州の50以上の郡に影響が出ているという。

この洪水による犠牲者は、全国ですでに16名にのぼり、プレアビヒア州、クラチェ州などでは7人の子供が死亡しているという。また、約9万世帯が浸水などの被害を受け、14,000余りの世帯が安全な場所へ避難している。水田は56,000ヘクタールが浸水し、そのうち1,516ヘクタールが壊滅的な打撃を受けたという。家畜への被害も深刻で、プレアビヒア州では一軒で700頭の豚を失った農家もある。

 なお、水資源気象省は、9月17日、今後1週間、豪雨のため、コーコン、シハヌークビル、コンポンスプー、コンポントム、ポーサット、バッタンバン、パイリン、シアムレアップ、バンテアイミエンチェイ、オッダーミエンチェイ及びプレアヴィヘアの11州では、洪水に警戒する必要があるとの警告を発していた。

 また、既に、9月4日には、フン・セン首相は、水資源気象省の豪雨予想を引用しつつ、現在カンボジアは、熱帯性台風カジキ及び南西モンスーンの強風に襲われており、北部諸州において豪雨による洪水で被害が出始めていることを踏まえ、州政府当局や関連機関に対し、洪水対策や救助活動の準備を指示していた。右豪雨予想では、8日には、ストゥントレン州では、水位は、12メートルの警戒水位を上回る12.35メートル、9日には、クラチエ州では、同23メートルを上回る23.20メートル、10日には、コンポンチャム州で、同15.20メートルを上回る15.70メートルに達する旨予想していた。

この首相指示を踏まえ、例えば、ストゥントレン州では、浸水の可能性のある村落について避難計画を策定し、83カ所の安全地帯にテントや移動式トイレを準備していた経緯がある。

 

 

 



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